おはようございます。
いや、こんばんはかもしれない。あるいはお昼休みなどにこれを読んでいる方にとってはこんにちはだろう。いずれにせよ、挨拶がとても大事なコミュニケーションであることは誰しも疑いようのない事実であろう。
さて、今回が初コラムということで僕もネタを探した。パン屋にも行ったし、ラーメン屋にも足を運び、さらには寿司屋でもネタを探していた。
ただ、この一連の行いは徒労に終わった。もちろんわかりきっていた。寿司屋で見つかるのは刺身だし、ラーメン屋では出汁、パン屋にいたっては全く収穫がなかった。
もうだめだ。
僕は絶望の中iPodで音楽を再生した。今回はそこで聴いた音楽について書いてみようと思う。
本コラムでは音楽史及びポップス史、あるいはロック史などにはあえて触れない。純粋に楽曲の構成、構築美、アレンジ、アプローチなどについて触れていこうと思う。もちろん必要となればポップス史ロック史くらいは引き合いに出すかもしれないが。
ようやく今回の本題である。
読者をお待たせして申し訳無いとは思うが、僕の人となりを知っていただくためにも序文は必要不可欠であった。一通り回りくどい人間であるのは察していただけたかと思う。
では、本題に入ろう。
今回は最早伝説であろうロックバンド、Queenについて書いていく。なるべく詳細は省く。何よりもこれを読んだあとサブスクリプションサービスなりCDなりでQueenの素晴らしさを直に聴いてほしい。
やべえんだから、マジで。
まずQueenの楽曲に触れるにあたって、この曲は外せない、というものを選んでみた。
『Don't Stop Me Now』
この曲においてまず何が素晴らしいかというと、フレディのボーカルが素晴らしいのは前提として、
要所に光るコーラスワーク及びそのアレンジである。
これは僕個人の意見だが、
The Beatles以降の音楽を語っていく上で外せない要素が、この曲の中で何度もテーマメロディとなって現れる「Don't Stop Me Now」の部分のコーラスワークにあると考えている。
非常に高揚感があり、音が前に向かう推進力として機能している。
ギターソロ前のコーラスの掛け合いもそうだが、こういったアレンジは
The Beatlesの功績が非常に大きいと思われる。
The Beatlesの曲で言えば『Help!』に近いニュアンスを内包しているのが『Don't Stop Me Now』だ。
この曲の中ではギターソロやギターオブリガートなどはすべてアレンジの一環なのである。ギターの前後にあるボーカルが本質なのだ。ブライアン・メイはそのへんわかって弾いてる。
アタマイイ。カテナイ。
2曲目。
『Killer Queen』
この曲も最高にかっこいいのがフレディのボーカルをオーバーダビングしたコーラスアレンジ。しかもエフェクティブな処理をされていて、当時のレコーディング技術の粋を集めた傑作。
ボーカルのアレンジにはゴスペルの要素すら感じられる。リズムアプローチに関しても、特にベーシスト諸氏には是非ともコピーに挑戦していただきたいほどウォーキングやリズムの変化フィルインの入れ方など、
まさにこの曲をやれば他の曲はやらなくていいというほどこの手の跳ねた曲のリズムの良さを最大限に引き出すアプローチがされている。
ギター?カッティングとハモリフレーズは秀逸。ブライアン・メイには勝てないから、マジで。
やめとけ。
最後はこの曲を。
『We Are The Champions』
この曲は理屈抜きの名曲。もちろんコードワークとアレンジに関しては学びが多いのではあるが、いやー、もうそんなの関係ねえ。ギターを聴いてくれよ。ブライアン・メイがほんとに上手いギタリストだってわかるから。
…コラムなので多少学びがあることも書こう。
ブライアン・メイのギターのトーンはワウペダルを1台半分空けた状態にして使うことによって得られる。
もう1台のワウペダルは通常の使い方をする。
つまりワウペダルがボードのインプット側に2台並んでいると予想できる。なぜインプット側にあるのかと言えるのか。それは、歪みの音より前にワウペダルのエフェクトがあるからである。
慣れればこれは聴感でわかってくるはずだ。ちなみにアンプはVOXのAC30。これらの機材にブライアン・メイお手製のギターを使うことによってあの独特なトーンが生まれるのである。
そして、この曲のラストにボーカルとギターの素晴らしい掛け合いを聴くことができる。是非読者諸氏は今すぐに聴いてほしい。
エモいんだわ、あれ。
以上が今回のコラムの全てだ。
これ以上書くのは蛇足になりかねない。ほんとにQueenは聴いて体験してほしい。最高だから。
ちなみに僕はこの文章をQueenを聴きながら書いている。もはやQueenは趣味である。オペラロックだのナンチャラロックだのと言われているが、ジャンルなんて所詮レコードを店頭に並べるための方便に過ぎない。
優れた感性を持つ読者諸氏にはジャンルなどという古い体質に縛られず、今後もより自由に、より一層深く音楽を楽しんでいただけたらと思う。このコラムがそれの手助けになれることを願ってやまない。