第1回

「鈴木和徳」

~打楽器奏者~

©️平館平

 

 

2019年7月29日対談


ーイシタケイスケ(以下「イ」と表記)

ご協力いただきましてありがとうございます。本日は宜しくお願いします。「すーさん」と呼ばせていただきます!始めに自己紹介をお願いします。

 ー鈴木和徳氏(以下「す」と表記)

青森県八戸市出身、打楽器奏者の鈴木和徳です。

 

毎年変わる八戸の'三社大祭'

 

す)今回は、お祭りに参加するのが目的で帰省しました。2011年から参加してるんですけど、今年で8年目なんです。

毎年、朔日市町(ついたちまち)で大太鼓を叩かせていただいてまして、今回もそれで、祭りに、ガッツリ参加するのが目的です。太鼓じたいは2011年から参加してますが、引き子としては小さい頃から参加してましたね。昔と比べると山車の大きさがだいぶ違います。

 

イ)小さくなったんですか?

 

す)いえいえ、真逆ですよ(笑)。

昔はホントに小さくて、開いても真横にパカッて感じで、上にはスッて上がる感じでしたが、最近は、開いて、上がって、また開いて上がるような仕掛けが凄く多く、2000年ちょうどに関東にでてから11年見てなかったので、今見たら全然違って驚きましたね(笑)

 

イ)ちなみに、お祭りの参加者を増やす取り組み等は、内部から見たらどうですか?

 

す)けっこう、ウェルカムですよ。ホントに皆に来て欲しいんです。しかし、昔ながらの壁のようなモノは、まだあるかもしれません。例えば、参加したいけど、どこに行けばいいか、どこに連絡したらいいか、やはりそこの架け橋になるようなところが滞っているとは思います。

 

一応、朔日市町にも詰め所はありますが、詰め所で山車を作っているのではなく、別の場所で作っています。練習場所は町内なんですが、それも朔日市町の祭り組の人じゃないと敷居が高いと感じる方もいるかもしれません。

しかし、今日マチニワ練習するんですけど、今年は観てて、少しずつですが、だんだん増えてきているかな?とは思いました。

町ぐるみで、そういう認識を少しでも取り払おうと勧誘まではいかなくても、呼び掛け等で、知人と一緒に参加する若者は増えてきましたね

 

ジェフに出会って「この人しかいないな。」と思った。

 

イ)すーさんがドラムと出会ったのはいつ頃ですか?

 

す)ドラムと出会ったのは、中学校の吹奏楽で、そのまま、中・高と経験して、当時は「LUNA SEA」や「X JAPAN」が流行っていた、第2次バンドブームの真っ只中でした。自分達でROXXを借りて、チケット売って、ライブやってました。当時は洋楽ばっかり聴いてて、「TOTO」や「ロザーナ」とかの80年代のU.Sロックを聴いていたんです。

 

小学校4年の時だったかな?

マイケル・ジャクソンが流行って、「スリラー」や「ビートイット」がPVで出始めた時で、僕の兄貴も音楽好きだったこともあり、夏休みはずっとそのPVを観てましたね。

 

大学卒業する頃、またそのPVを観たんです。 当時はディスコビートが流行っていたのもあって、改めていつの時代にもマッチするなんてスゲーなぁ、これ誰が書いた曲なんだろ。

って思って調べたら、「TOTO」の「ジェフ・ポーカロ」だったんです。

小学校の時の記憶だと、実家にCD1枚だけあったな?って思い、掘り返して、神奈川に持ってきたときに聴いたら、凄いシンプルなドラムを叩く人って感じて、ビートイットも叩いてたんです。

「あ、この人昔から僕の近くにいたんだな、ずっと前から聴いてたんだな」って思いましたね。

僕がいいと思っていた80年代のアメリカの音楽はほとんどが「TOTO」がバックミュージシャンで、マイケル、ユーミン、小田和正とか、あの当時の80年代のサウンドを作った人なんです。それを知って、「あ、この人しかいないな。」っと思いましたね。

 

何よりその一瞬を「楽しく」「楽しませる」

 

イ)打楽器奏者として、八戸を客観的にみたらどう感じますか?

 

す)そうですね。まず、久々に帰ってきた時に思ったんですが、音楽をできる場所がたくさんできていましたね。僕が学生の頃は、ROXXしかなかったんですが、今はライブハウス以外にも、マチニワやバーもありますよね。それでよくライブハウスの経営が成り立ってるな、と思っちゃいましたよ。

 

たくさんできることはいいと思うけど、コミュニティが分散されて、そこら辺は、「八戸ネジ絞め過ぎなんじゃないの?」と感じました。本気でプロを目指す人や、自分達が楽しければいいやっという考えで二極化するとは思いますが、どちらの考えの人にも共通する「楽しくやる」ってことは忘れて欲しくないと感じましたね。どこでやるにしろ「お客さん」に見てもらうわけだから、楽しませないといけませんので。

イ)打楽器奏者としての活動で、やりがいを感じた瞬間を教えてください。

 

す)はい。もちろん活動する中で、つらいこともたくさんあります。バイトやっていた時もあるんですけど、初めて太鼓の仕事をもらった時、正直「これしか貰えないのか、キツイな・・・」って思ったんです。

「普通に仕事してればよかったかな?」っと考えたりもしましたけど、やはり会場にはお客様がいて、僕はお客様を楽しませなきゃいけないんです。

それは生演奏でしか味わえないですし、舞台での醍醐味かと思います。100人、500人のお客様が舞台が終わったときに、一斉に拍手を送ってくれるんです。

 

この為に僕は舞台に立ち続けるし、舞台でしか味わえない瞬間なんです。

しかも、舞台芸術って、その時限りじゃないですか?出した瞬間から消えていく・・・、それってなんなんだろうっていうのはずっと感じています。それが活動し続ける理由なのかもしれませんね。

だからこそ、舞台に立ち続けるために健康には気を付けていますし、他人に自分をちゃんと伝えられるようにカウンセリングの勉強をしたり、結局そうやってる自分が好きなんでしょうね(笑)

 

ー自分が慣れ親しんだ

”ソウルミュージック”にもう一度・・・

 

イ)音楽家はそうじゃなきゃ生き残れない時もあると思いますし、自分を好きじゃなきゃ相手も好きになってくれないですから(笑)そんな、すーさんは挫折したときあるんですか?もしあったら、どうやって跳ね返したんですか?

 

す)もちろんあります!新型インフルエンザが流行ったことがあったじゃないですか。僕の場合、明日、明後日の仕事がなくなっても保証が無いので、あの時(公演が中止になったとき)はキツかったです。

家にいてもやる気がでなくて、リストラされたサラリーマンのように、どんどんネガティブになっていくんです。そんな時、このまま神奈川にいてもしょうがないと思ったんです。

その時期はちょうど八戸三社大祭の時期で、丸々1か月何もないなら、また三社大祭で太鼓をやりたいって思い、母親に「すまん、また三社で太鼓やりたい!だから、丸々1か月帰らせてくれ!」って言いましたね。

小さい時からやりたかったことですし、やりたいと思っている自分にウソをつきたくなかったのかもしれません。自分で慣れ親しんだソウルミュージックにもう一度触れるために、今回だけでもっと思い帰省しましたね。

そしたら、結果的に、動いてくれるならうちに教えに来てほしいと言ってくれるところもあって、仕事にもつながったんです。だから、あの時は動いて本当に良かったと思いました。

イ)今の学生、そして、これからの若者に何かお言葉を

 

す)もう好きなことをしてください(笑)好きなことっていうのはゲームだったり、ボーカロイドだったり(でもいいですし、大事なことは)学校に留まることじゃなくて、まず体験をする、いろんなところで。それで何か熱中することを見つけてください。そうすれば、いつかきっと救われますから。

イ)たまたま、僕らは、それが音楽だっただけですもんね。

す)そーそーそー!ほんとにそうなんですよ。

イ)それでは最後に、9月13日の公演の告知をお願いします。

 

す)はい、ありがとうございます。

9月13日(金)、八戸市公民館で17時45分開場、18時半開演。今回は和太鼓奏者2人、打楽器奏者6人連れてきて、打楽器だけのコンサートを行います。七戸町出身の打楽器奏者の方をゲストに迎えて、皆さんで盛り上がれたらいいなっと思います。ぜひ、お越しください!!


Ⓒ平館平

【鈴木和徳】※写真左

2004年、2005年、

槙原敬之セレブレーションコンサートツアーに

コーラス、バテリア兼指導で参加。
2010年、韓国で開催された

International Percussion Festival in Seoul

2011年、台湾で開催された

Taipei International Percussion Convention参加


教育機関の文化芸術の発展にも務め、文化庁からの派遣事業や年間80回以上の芸術鑑賞会をこなしている。

岡田知之打楽器合奏団団員。

ソノリティ音楽学園ドラム講師。

【パーカッション パフォーマンス プレイヤーズ 】

PPP ※写真右

マーチングを取り入れた打楽器のみのパフォーマンス集団。同じ大学で打楽器を学び、マーチングが好きで集まった仲間で2004年に結成。


リーダーである元田優香が第19回日本打楽器協会新人演奏会に出演、グランプリを受賞。
翌年の招待演奏会にて自作曲PPPを披露し、さらに同年の20周年記念打楽器新人特別演奏会に出演した。
個性派5名が見せるパフォーマンスは「一瞬たりとも見逃せない!」演出で聴衆を魅了。
定期的に行っているPPPワンマンライブでは意欲的なプログラムに挑戦し、常に新しい「打楽器エンターテイメント」の可能性を発信している。
また、全国各地のお祭りや企業イベントをはじめ、小中高等学校の学校公演や芸術鑑賞会、幼稚園や福祉施設、チャリティーイベント、メディアへの出演など幅広く活動している。